まさかのピーター・フォーク追悼上映となってしまった『マイキー&ニッキー』、当然劇場に駆けつけてきました。
正直どんな映画かあまり知らなかったんですが、ほとんどカサヴェテスとピーター・フォークの二人芝居みたいなものですね。
最初にスクリーンに登場するのがカサヴェテス、続いてピーター・フォーク。この時点ですでに涙腺決壊。
夜中の1時に墓場で死後の世界について語り合うピーター・フォークとカサヴェテス、よりにもよってなんというシーン、ちょっと反則(涙)
ホテルでのドア越しの押し問答、腕時計と拳銃の交換、濡れた路地でのいがみ合い、観られることのなかった映画、開けられることのないドア。
胃薬を飲ませようと必死のピーター・フォークを、駄々をこねて拒否するカサヴェテス。
仲はいいのにしょっちゅう喧嘩している子供みたいに、真夜中のホテルで、バーで、バスの中で、路地で、じゃれ合ういい歳した男二人。

ストーリー的な盛り上がりは無いに等しいので、退屈な方にはとことん退屈な映画かもしれません。
ですが、2011年の映画館のスクリーンで、カサヴェテスとピーター・フォークが子供みたいにじゃれ合っている、これ以上何がいるというのか、何もいりません。
ピーター・フォークとカサヴェテスがじゃれ合っているだけという、ある意味夢のような映画。
今頃天国でもまたじゃれ合っていることでしょう。改めて、合掌。
どこまでも愛おしい、たった一晩の物語。
[原題]Mikey and Nicky
1976/アメリカ/106分
[監督]エレイン・メイ
[出演]ピーター・フォーク/ジョン・カサヴェテス/ネッド・ビーティ