『メカニック』(サイモン・ウェスト)

メカニック

1本の「アクション映画」としてみれば普通に楽しめますが、『メカニック』としては結構微妙。

オープニング、一切台詞なしで仕事ぶりを見せるのはオリジナルと同じでいいんですが、オリジナルの殺し方がまさに“メカニック”と呼ぶべき仕事ぶりだったのに対し、今回のは結構力技で、プロフェッショナルぶりがいまいち弱い。

見せ場の一つである師との対決では、切なさはオリジナルに軍配が上がりますが、今回は、ドナルド・サザーランドがこの役を演じているというだけで、もうそれだけで嬉しい。

メカニック ジェイソン・ステイサム ドナルド・サザーランド

『RED/レッド』にアーネスト・ボーグナインが出てきただけで嬉しかったように、元気なドナルド・サザーランドが観れただけでもう大満足。

この映画が微妙なのは、弟子のスティーヴの設定を微妙に変えたことに原因が。
基本的には同じですが、微妙に違って、その変更はマイナスにしかなっていない。
おかげで、師弟対決がちっとも盛り上がらない。

メカニック ジェイソン・ステイサム ベン・フォスター

でも、ドナルド・サザーランド同様、役者としてのベン・フォスターはいいですね~。
『3時10分、決断のとき』でも素晴らしかったですが、今回も存在感抜群。

最後に、今回ここはよかったというのは、アーサーがちゃんとレコードでクラシックを聴いていたこと。
アーサーの家の内装というのは実はこの『メカニック』の見所の一つですが、これがCDやiPodなんかで音楽を聴いていたらそれだけでもう全てがぶち壊しでしたが、そこはさすがにちゃんと押さえていましたね。

スティーヴが高級なターンテーブルに触れた瞬間、「二度と触るな」と顔色が変わるアーサー。
ちょっとしたシーンですが、こういうこだわりはよかったです。

 

メカニック [Blu-ray]

[原題]The Mechanic
2011/アメリカ/93分
[監督]サイモン・ウェスト
[出演]ジェイソン・ステイサム/ベン・フォスター/ドナルド・サザーランド

→予告編 →他の映画の感想も読む

関連記事

さすが元飛び込みの代表選手、完璧な飛び込み! でも、サメよけクリームが最高過ぎて、そのインパクトに負けてるw 映像もテンポも今風だけど、入念な下準備のもと事故に見せかけて殺す、“メカニック”な仕事人ぶりが堪能でき[…]