『百万円と苦虫女』(タナダユキ)

百万円と苦虫女

舞台挨拶付の先行上映会を逃した話をこの前書きましたが、前売券はちゃんと買ってあったので、『百万円と苦虫女』観てきました。

何がいいかって、今回は主演ということ。
あんなにたくさん映画に出てますが、主演は3年ぶり。

主演ということに加え、映画の内容的なこともあり、ほぼ優ちゃんは映りっぱなし。
この段階でもう、映画の内容は実はどうでもいいです(笑)

百万円と苦虫女 蒼井優

前半はロードムービー。
いろんなアルバイトを転々とするので、優ちゃんのコスプレがたくさん見れるのはファンには最高のプレゼントですが、映画としてはまあ普通でしょう。

笹野高史や佐々木すみ江など、押さえるところは押さえてあり、“ルート”齋藤隆成くんの弟も、鈴子の反撃を目撃した後の二人のやりとりはよかったです。

細かいところでは、不動産屋として、山下敦弘監督作品でお馴染みの、“怪優”山本剛史が出てきたのにはびっくり。
いつぶちきれるのかヒヤヒヤしてましたが、今回は珍しく大人しくしてました(笑)

映画がぐっとよくなるのは、森山未來が出てきて、恋愛映画っぽくなってきてから。

百万円と苦虫女 森山未來

映画は現実とは違うので、ありえないロマンティックな映画もいいんですが、そんなのばっかりでもしらけてくるというもの。

このブログでは結構台詞にこだわっていますが、恋愛映画も、そんな言葉実際の男女間では絶対言わないって言葉が多々出てきます。

ボギーがイングリッド・バーグマンに言った「君の瞳に乾杯」くらい突き抜けていればいいですが、中途半端だとこそばゆくてたまったものではありません。

その点、この映画の優ちゃんと森山未來の会話、むちゃくちゃリアル。
優ちゃんの台詞にあった「所在ない」って一言を除けば、普段そんなこと言わないよって言葉は全くありません。

優ちゃんがノートを見てぼそっと言った「こんな字書くんだ…」で、ああこの監督(脚本兼任)わかってるなぁと。

「私のこと好き?」
「ど、どうしたの急に?」
「好き?」
「うん、好きだよ」
「どこが好き?」

このやりとりに苦労した覚えがある男性も少なくないことでしょう(笑)

それに対して、「一緒にいて落ち着くところ」と答え、「他にどこが好き?」と畳み掛けられ、「可愛い」と答える順番も、むちゃくちゃリアル(笑)

そして、凡百の恋愛映画を一網打尽にする、ラストシーンが圧倒的に素晴らしい。
ある意味、このラストのための、この優ちゃんの表情のための映画と言っても過言ではないでしょう。

最後に、パンフレットの中で優ちゃんが、中島みゆきの「ファイト!」がすごく好きと言っていたのが嬉しかったですね。
「私の中ではその歌がこの映画にピッタリなんです」とありましたが、言われてみれば確かにそうですが、この映画から「ファイト!」にいくとは流石優ちゃん。
ラストシーンの表情を撮っている時、スタッフたちと「ファイト!」を大合唱していたそうです。凄い現場だ(笑)

ファイト! 闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
~「ファイト!」中島みゆき~

 

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2008/日本/121分
[監督・脚本]タナダユキ
[出演]蒼井優/森山未來/ピエール瀧/齋藤隆成

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