『グロリア』(ジョン・カサヴェテス)

グロリア
近年シャロン・ストーン主演でリメイクされましたが、もちろんそっちではなくてジーナ・ローランズ主演の方。

アパートの一室で起きた一家惨殺事件。生き残った6歳の少年と謎の女グロリアの、“組織”に追われながらの逃避行が始まる…。

ほんとに真似ているのかどうかはわかりませんが、『レオン』は完全にこれの焼き直し。

グロリアを演じるジーナ・ローランズの存在感が圧倒的。

グロリアが初めて発砲するシーン、突然、そして何の躊躇なく銃弾を打ち込むその姿は、哀愁漂う音楽とはまってまさに鳥肌モノ。この哀愁たっぷりの音楽は、全編に渡って最高です。

グロリア ジーナ・ローランズ

いざとなったら問答無用にぶっ放すグロリア、痺れます…。それにしても、こんなにかっこよく銃を撃てる女性は他にいません。

さらに、“強い”グロリアとともに、“優しい”グロリアの魅力も十分。
優しさを素直に表現する器用さを持ち合わせていないだけに、余計にこちらには伝わってきます。

少年のことを突き放そうとすればできるのに、一度守ると決めたら最後まで貫き通し、子供が嫌いだと言っていたのに、母性まで芽生えてくる始末。
この“優しさ”の部分のグロリアも素晴らしい!

そして、この映画も子役が抜群にかわいい!可愛いだけでなくかなり生意気な子供ですが、大人振ろうと生意気に振舞うその様子は、見ていて切なくなってきます。

グロリア 子役

置いていこうとするグロリアに怯えてまとわりつくところ、レストランでグロリアの真似をしてウエイトレスに「消えろ」というところ、ともに大好き。

二人のやりとりはどれも最高ですが、一番好きなのはこのやりとり。
家族を惨殺されてショックの少年に対して、「おかしい事を考えるのよ」「無理だ」「無理?その顔で?冗談言えばすぐ笑い出す顔してるよ」、このシーンのフィルの表情はほんとに極上。

ラストも文句なし!

それにしてもジーナ・ローランズ。
そこに立っているだけで十分という、稀有な存在感。
そのかっこよさは他の追随を許さず、自分の中のかっこいい女性の基準はここにあります。
姐さん、一生ついていきます!

 

グロリア [DVD]

[原題]Gloria
1980/アメリカ/121分
[監督・脚本]ジョン・カサヴェテス
[音楽]ビル・コンティ
[出演]ジーナ・ローランズ/ジョン・アダムズ/バック・ヘンリー

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