『ギルバート・グレイプ』(ラッセ・ハルストレム)

ギルバート・グレイプ

この作品も何度も繰り返し観た大好きな作品。

過食症のため異様に太った母親や、脳に障害を持つやんちゃな弟などの面倒をみる主人公ギルバート。
そんな彼が暮らす町に、キャンピング・カーで旅暮らしを送る少女ベッキーとその母親が現れる…。

まずは、なんといってもディカプリオ。尋常でない上手さで、とても演技とは思えません。この作品にしても『太陽と月に背いて』にしてもほんとに上手いですが、この作品はほんとに彼の最高傑作。これ以上の彼にはいまだに出会えていません。
『タイタニック』などに出ずこういう路線で進めばまた違う彼が見れたはず。ほんとは抜群に上手いだけに、作品選びに残念さが残ります。

そんな神懸り的に上手いディカプリオを相手に、一歩も譲らないジョニー・デップの圧倒的な存在感。
あまりにも優しすぎるために、自分のためにではなく人のために生きる彼、それでも家族や弟に対する溢れんばかりの愛情が痛いほど伝わってきて、ジョニー・デップも最高の演技。

ギルバート・グレイプ ジョニー・デップ レオナルド・ディカプリオ

二人に比べると存在感が劣ってしまいますが、ジュリエット・ルイスもとっても素敵です。

そして、圧倒的なお母さんの大きさ!でかい、とにかくでかい!車に乗るだけで、車がお母さん側に大きく傾くシーン、笑えるけど悲しくもある、いつまでも印象に残る素敵なシーンです。

ギルバート・グレイプ

1番印象に残っているシーンは、ギルバートが不倫相手の女性に、なぜ自分を選んだのかと聞いた時、その女性に、あなたなら町から出て行かないからと、そのようなことを言われるシーン。
彼にとっては1番突かれたくないところを突かれたわけで、この時のジョニー・デップの表情は忘れられません。

この後も心暖まる作品を次々と送り出してくれているラッセ・ハルストレム監督ですが、今でもこの作品が一番好きです。
そして、ぜひもう一度ディカプリオと組んで撮ってほしいです。

 

ギルバート・グレイプ [Blu-ray]

[原題]What’s Eating Gilbert Grape
1993/アメリカ/117分
[監督]ラッセ・ハルストレム
[撮影]スヴェン・ニクヴィスト
[出演]ジョニー・デップ/ジュリエット・ルイス/メアリー・スティーンバージェン/レオナルド・ディカプリオ/ダーレン・ケイツ/ローラ・ハリントン/メアリー・ケイト・シェルハート/ジョン・C・ライリー

→予告編 →他の映画の感想も読む

関連記事

ある小さな村に、流れ者の母娘が引っ越してきた。 古い伝統に縛られたその村で、チョコレートショップを開店し、そのおいしさは徐々に広まっていくが…。 『ギルバート・グレイプ』が大好きということもあり、その時のハルストレム監督、ジョニ[…]

関連記事

政権のためにプロジェクトを利用しようとしつつも、鮭のことなんてどーでもいい首相広報担当官クリスティン・スコット・トーマスのむかつく演技に尽きる、むちゃくちゃ上手い(笑) それ以外はせっかくの燃える題材がもったいない[…]