『デッドエンド 暗戦リターンズ』(ジョニー・トー/ロー・ウィンチョン)

デッドエンド 暗戦リターンズ

ずいぶんと数が増えてきたジョニー・トー関連作品、製作も含めるとこれで6本目。

あの『暗戦 デッドエンド』が帰ってきた!
というわけでラウ・チンワンのホー刑事再登場です。

映画の続編というのは多くの場合ろくなことはありませんが、本作品は前作のファンを裏切らない出来。
それでもやっぱり前作にはかなわないのは、アンディ・ラウとイーキン・チェンの差でしょう。
今回のイーキン・チェンもかなりかっこいいですが、前作のアンディ・ラウがあまりにもかっこよすぎた…。

さて、例によって犯人はビルの屋上に登場。
この時点で『暗戦』ワールドに一気に引き込まれます。

前作では最初に仕向けられた交渉人はあっさりと無視されてしまいましたが、今回は交渉人がラム・シュー!

借金の返済に追われ、取立屋からビルから飛び降りたらと脅されているラム・シュー、それが高層ビルの屋上の端に腰掛けている犯人の説得に。
しかも、横に座るように促されてしまいます。

デッドエンド 暗戦リターンズ ラム・シュー 屋上

さらに、コイン投げで表か裏を当てるように言われるラム・シュー。
答えは毎回裏、しかし、結果はいつも表。
この先何度となく繰り返される二人のやりとり。
本筋とは関係ありませんが、一つの大きな魅力です。

さて、頼りないラム・シューに代わり、待ってましたホー刑事登場!

デッドエンド 暗戦リターンズ ラウ・チンワン

しかし、前作のアンディ同様あっさりと姿を消すイーキン・チェン。

ホー刑事がタクシーの運転手として待ち伏せするあたりは前作のファンにはニヤリ。
前作同様同じ上司が足を引っ張るのもニヤリ。

さらに、前作ではアンディと女性とのやりとりが素晴らしかったんですが、今回はイーキン・チェンにそういうシーンがあるのかと思っていたら、女性とのやりとりがあるのはなんとラウ・チンワンの方。
これにはびっくりでしたが、ラウ・チンワン顔に似合わず(笑)いい感じです。
二人でワンタン麺を食べるシーンなんかいいなぁ。

デッドエンド 暗戦リターンズ ラウ・チンワン ケリー・リン

このシリーズが安心して楽しめるのは、もちろん犯罪なんですが、基本的には“ゲーム”だということ。
本作でも、一人も死ぬことはありません。

二人のやりとりでも、街中をひたすら追いかけっこしたり、雨中を自転車で競争したり、どこかほのぼのとしています。

ただ、最初に会ったビルの屋上を受け渡し場所に指定したホー刑事に対し、ビル中に警官がひしめく中イーキン・チェンがどうやって登場するかと思っていたら、その登場の仕方にはやられました!

さて、先ほど少し触れたラム・シューのコイン当て。
ホー刑事との攻防を続けるイーキンの前に現れては挑みます。
答えはいつも裏。そして、結果はいつも表。
372連敗。
「なぜ続ける?」

デッドエンド 暗戦リターンズ イーキン・チェン ラム・シュー

372勝目の後、コインをラム・シューに渡し立ち去るイーキン。コインをもらったラム・シューは凄く嬉しそう。
嬉しそうに街中を歩いていると、募金をしている子供の姿が。
372連敗したそのコインを募金箱に入れ、子供の頭を撫でるラム・シュー。
本作で一番好きなシーン。

前作のファンを裏切らないサスペンス部分に、上司やラム・シューなどのお笑いキャラ、ラウ・チンワンのロマンス、ジョニー・トー、またまた楽しませてくれました。

 

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暗戰 2 (Blu-ray) (香港版)

[原題]暗戰2
2001/香港/95分
[監督]ジョニー・トー/ロー・ウィンチョン
[出演]ラウ・チンワン/イーキン・チェン/ケリー・リン/ラム・シュー/ホイ・シウホン/ルビー・ウォン/ロー・ウィンチョン

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