
まさかそこに飛行機を!
今回は、ヨーロッパ最高峰の顔ぶれが集結した『シシリアン』です。
マフィアのボス、ヴィットリオは、殺し屋サーテットを脱獄させることに成功し、一緒に壮大な計画を立てる。
それは、何億ドルもする宝石がパリからニューヨークへ運ばれる際に、それを奪い取ろうとするものだった…。
書きたいシーンは山ほどありますが、サスペンス映画なので、内容に触れるのはこれくらいにしておきましょう。
冒頭に書きましたように、凄いのは顔ぶれ。
マフィアのボス、ヴィットリオに、フランスの御大ジャン・ギャバン。
『シシリアン』というタイトルにもあるように、シシリア出身で、シシリア全島を買い占めるのが夢。
息子たちを使い“ファミリー”の長として圧倒的な存在感で君臨しながら、いざ決行時に想定外の事態が起きた際にとっさの機転を利かせるなど、まだまだ現役の顔も。

殺し屋サーテットには、同じくフランスからアラン・ドロン。
元々計画を持ち掛けたのはサーテットの方から。
ヴィットリオにあしらわれたかのように見えてその先を行くなど、なかなかのところを見せますが、綻びを見せるのが女性関係というところは、さすがはアラン・ドロンといったところでしょうか(笑)

元々はサーテットを追いながら、宝石事件にも関わることになるパリの名警部ル・ゴフには、イタリアから、『冒険者たち』でもドロンと組んだリノ・ヴァンチュラ。
ジャン・ギャバンと対峙しても見劣りしない“できる”警部を、存在感抜群で魅せてくれます。

ヴィットリオと37年ぶりの再会を果たしたニューヨークのボスなども絡み(二人の空港での再会のシーンなんか巧いなぁ)、パリ、ニューヨークを股にかけた壮大な計画。
スタッフも、キャストに負けずヨーロッパの超一流どころが集結。
監督は、『地下室のメロディ』に続いてギャバン、ドロンと組んだ、名匠アンリ・ヴェルヌイユ。
キャメラは、フランスの名画には欠かせない名手アンリ・ドカエ。
音楽は、ご存知エンニオ・モリコーネ。
何から何まで一級品の、ギャング映画の名作。
[原題]Le Clan des Siciliens
1969/フランス/120分
[監督]アンリ・ヴェルヌイユ
[撮影]アンリ・ドカエ
[音楽]エンニオ・モリコーネ
[出演]ジャン・ギャバン/アラン・ドロン/リノ・ヴァンチュラ/イリナ・デミック/シドニー・チャップリン
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