『ラブ・アクチュアリー』(リチャード・カーティス)

ラブ・アクチュアリー

ベタです、ご都合主義です。でも、それのどこが悪い?
こんな時代だからこそ、愛です、愛。

というわけで今回は、「泣けます。。。」(まだまだ募集中です!)へ投稿していただいた中から、マダムS様ご推薦、『ラブ・アクチュアリー』です。
マダムS様、ありがとうございます!

オープニング、ヒースロー空港での様々な待ち合わせ。

夫婦、親子、友達、そして恋人。
抱き合う皆の顔からこぼれる、溢れんばかりの笑顔。

このオープニングでもうニンマリ。
映っているのは俳優ではありません。一般の普通の人々です。

この映画の魔法がかかる瞬間です。
確かに、突っ込みだしたらきりがありません。そんなに上手くばかりいくわけないだろ?はい、その通りです。
でも、こういう映画がなくなったら、どんなにつまらない世界になってしまうでしょう。
ラストの空港で同じように魔法が解けるまで、2時間くらいはこんな世界に浸ってたっていいじゃないですか。

一般の人々の後は、これでもかというくらい、イギリスの俳優たちが登場します。
ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、ローワン・アトキンソン、ビル・ナイ。
いいですね~この顔ぶれ。主なところでは、ローラ・リニー以外はみんなイギリスの俳優で固めています。

なんといっても、ヒュー・グラントが英国首相です。
そんなのありえね~!なんていう気持ちでは、この映画は楽しめません。
もう1回オープニングを観て、魔法にかかり直った方がいいでしょう。

全員が主役であり脇役である映画ですが、一人だけ“普通の人じゃない”ヒュー・グラントは一応メインでしょう。
でも、彼とナタリー(マルティン・マカッチョン)の恋は、この映画の中ではそうたいしたことありません。

ただ、登場時間は短いながらもヒュー・グラントに見せ場は多く、中でも、ビリー・ボブ・ソーントン扮するアメリカ大統領との共同記者会見で、思わぬ“反撃”に出るところは何回観ても痛快ですね。
ブレア元首相への痛烈な皮肉でもあるわけですが、台詞も洒落が効いていて巧い。

アメリカに行けばモテると思っていて実際にそうなってしまうさえない男の話も含めて、アメリカへの皮肉は明白ですが、この映画を観て怒ったアメリカ人もいると聞きますが、こんなユーモアに笑う余裕もないとは…。

他には、一躍国民のヒーローになった首相が、一人公邸でGirls Aloudの「Jump (For My Love)」に合わせて踊るシーンは、ヒュー・グラントの独壇場。

この曲もそうですが、この映画はサントラも屈指の出来。
寝室でエマ・トンプソンが隠れて泣くシーンに流れるJoni Mitchellの「Both Sides Now」なんか、あまりにハマッていて反則。
Norah Jonesの「Turn Me On」も、歌詞がぴったりでしたね。

そして、マダムS様に投稿していただいたように、“泣けます。。。”な映画でもあるわけですが、何組ものカップルが登場する映画にあって、実は泣けるところをもっていっているのは一人の男。

まあこういう映画ですから、ほとんどの登場人物が幸せになるわけですが、親友の花嫁への恋という、最悪なシチュエーションのこの男マーク(アンドリュー・リンカーン)。
親友のために最高の結婚式を演出し(この結婚式はほんとに最高!)、でも、彼女にはいつも冷たく当たっていた。
仲良くなったってつらいだけだから、この想いに気づかれたくないから。

ラブ・アクチュアリー キーラ・ナイトレイ

結婚式を映していたビデオも、延々と彼女だけを映していたマーク。
そのビデオを彼女に見られしまい、部屋を飛び出したマーク。
三度引き返そうとし、結局歩き出すマーク。
ここに流れ流れ出すのが、Didoの「Here With Me」。しかも、2番の後のピアノの間奏のところからなんて、これまた反則でしょ!(涙)

これだけでも十分泣けますが、とどめにまだ号泣もののシーンが。
映画史上屈指の、切ない無言の告白シーンでしょう。

「Enough, enough now.」
これにはやられました。

他では、ローラ・リニーのエピソードも切ない。
彼女もまたうまくいかない一人ですが、ベタでどこが悪い?と言っておきながら、どうもやっぱり切ないのが好きなようです(笑)
「悪いけど1秒だけ待って下さる?」と、彼から隠れて一人大はしゃぎする彼女の可愛いこと!

ラブ・アクチュアリー ローラ・リニー

でも、2年7ヶ月と3日の片想いが実ってついに彼と一緒になれたのに、彼女にはそれよりも大切な“愛”があったんですよね(涙)
しかも、その部分を長々と説明せずに、“パンチを難なく止める”というたったそれだけの仕草で、二人の過去を描ききった演出が凄い。

ラブ・アクチュアリー ローラ・リニー

落ちぶれたスター(ビル・ナイ)とマネージャーのほろりとさせるエピソードなんかもそうですが、ただの軽いラブコメではありません。

最後はまた、ヒースロー空港で魔法は解けます。
しかも、そのバックに流れているのが、The Beach Boysの「God Only Knows」。

If you should ever leave me
Though life would still go on, believe me
The world could show nothing to me
So what good would livin’ do me
God only knows what I’d be without you

最後の最後まで、憎過ぎる選曲。

“泣けます。。。”であり、もちろん“素敵な恋をしよう!”であり、さらに“音楽がgood♪”なこの映画。
皆さんも、難しいことは忘れて、135分の恋の魔法にかかってみてはいかがでしょうか。

[原題]Love Actually
2003/イギリス・アメリカ/135分
[監督・脚本]リチャード・カーティス
[出演]ヒュー・グラント/リーアム・ニーソン/エマ・トンプソン/アラン・リックマン/コリン・ファース/ローラ・リニー/キーラ・ナイトレイ/ローワン・アトキンソン/ビリー・ボブ・ソーントン/ビル・ナイ

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