サム・メンデス、ツボ押さえすぎでしょ！
007ファンには、涙がちょちょぎれるシーンの連続。これはたまりません！
ファーストカットどころか、「第一音」からもっていかれます。
こんなのは『荒野の用心棒』のエンニオ・モリコーネのあの第一音くらいでしょう。これが50年の重み。
そこから一気にアクションに雪崩れ込み、まさかの『北国の帝王』ネタ！
ここでもう大きくガッツポーズ。
007の悪役といえば「時代を映す鏡」ですが、冷戦終結後、なんとか工夫を重ねてきた前作までの悪役。
それが、ついにここまできたかという、言い方を変えれば、もうこれくらいしかいないという、今回の敵。
彼は何を求めて戦っているのか。
そんな彼に立ち向かうには、どうすればいいのか。
前に進み続けることで果たして勝てるのか。
新たな時代の象徴の新生Qにあえてペン型銃を“アンティーク”と切り捨てさせた後、満を持して登場するアストンマーチン・DB5！
鳴り響くあの音楽、あのボタン！もうたまらない！
そして、そこから雪崩れ込むのがなんと西部劇！まさかの西部劇！
しかも、よりにもよって『リオ・ブラボー』！
ウォルター・ブレナンに相当するキャラもちゃんといます。
さらに、そこに乗り込んでくるのがまさかの…！！！
なんなんですかこのありえなすぎる贅沢さは！
そして、ラスト数分はあまりにも完璧すぎます。
これはさすがに何も書かないでおきます。
細かいところでは、公聴会のくだりでの、ボンドとマロリーのできる男同士の目と目でのやりとりもたまりません。
ああいうちょっとした仕草があるのとないのでは全然違います、いいですねぇ。
[原題]Skyfall
2012/イギリス・アメリカ/143分
[監督]サム・メンデス
[撮影]ロジャー・ディーキンス
[音楽]トーマス・ニューマン
[主題歌]アデル「スカイフォール」
[出演]ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/レイフ・ファインズ/ナオミ・ハリス/ベレニス・マーロウ/アルバート・フィニー/ベン・ウィショー/ジュディ・デンチ
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