折り鶴に込められた想い 草迷宮~憂国への帰還

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2nd GIG ポスター

『イノセンス』から続けてスポットを当てている、『攻殻機動隊』の恋愛路線、やっぱりいいですね~。
ただ、今回は相手が違いますが…。

「お前、鶴を折れるか?」
「鶴?」
「ああ、それも左手だけで」
「制御ソフトを使えば、誰でも折れるだろう」
「そうじゃなくて」
「お前は折れるのか?左手で」
「今はな」
(第52話「憂国への帰還」)

並の映画やドラマなら、

「あなた、あの時の少年?」
「あの時の?」
「そう、私よ、あの時の少女」

とでも言わせるところでしょう。
しかし、さすが神山監督、そんな野暮なことはしません。

「お前、鶴を折れるか?」
「鶴?」
「ああ、それも左手だけで」

素子の性格を維持した上での、精一杯の一言。

「今はな」に続いて流れ始めるのは、あの美しいピアノの旋律。
そう、第37話「草迷宮」と同じ「I do」。

あの時も、「今度は、私があなたのために折り鶴を練習するね」、それが精一杯の一言だった。

「制御ソフトを使えば、誰でも折れるだろう」、もう覚えていないのね…。

「今はな」に込められた想いも今は伝わることはない。

それでも、またあなたに会えた。
左手だけで折れるようになれたと伝えられた。
そして、あなたは今でも鶴を折っている。

幼い二人のそばには、折り鶴を残してもきた、左手だけで折った鶴を。

それでいいじゃないか。

それに、今の自分には、心を許せる相手がいなくはない。

残されたのは、一羽の白い折り鶴。

※『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven』では、出島潜入直前に、素子がバトーに「草迷宮」のエピソードを手短に(しかし必要以上にわかりやすく)語るシーンが追加されています。
「草迷宮」自体カットしているので、何らかの補足がないと上記やりとりに繋がらないとはいえ、“説明”してしまっては、切なさは100倍減。
残念です…。

 

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