『ナビィの恋』(中江裕司)

ナビィの恋

今回は、おかぽん様“素敵な恋をしよう!”(まだまだ募集中です!)“泣けます。。。”(こちらも募集中です!)に投稿していただきました、沖縄が舞台の『ナビィの恋』です。
おかぽん様、ありがとうございます!

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この映画、一番基本の設定だけならかなり凄い。
なんせ、79歳のおばあちゃんが、50年連れ添った旦那さんを捨て、男(こちらももちろんおじいちゃん)と駆け落ちして島を出て行くというもの。
昨今の純愛映画ブームも真っ青です(笑)

ただ、そこには、60年前に叶わなかった若き二人の恋があった…。
というわけで、別の人と結婚し、何一つ不満はない幸せな毎日。
ただ、60年という月日をもってしても、あの人への想いは消えることはない。
そして、約束通りあの人はついに島へ帰って来た。

サンラーさんと会うようになってからのナビィは、会う直前に髪をセットしてみたり(セットというほど大げさなものではありませんが)、何歳になろうが、恋をしている時の感じが出ていていいですね。

おばあちゃんだけでなく、久しぶりに東京から帰って来た、孫の奈々子にも恋の三角関係が。
幼なじみのケンジと、一人旅にやってきた福之助。
ケンジは二人の関係を婚約者だと言っていますが、そんなケンジのことは、好きだけど愛していないと奈々子、さすがにおばあの血をひいております(笑)

「音楽がgood♪」に入れてもいいくらい、音楽も素晴らしい。
ケルト音楽からオペラまで出てきますが、一番の主役はもちろん三線。
旦那さんに扮した登川誠仁氏は、無形文化財にもなっている三線の神様のような人らしく、全編に渡って見事な腕前を披露してくれます。

ナビィの恋 登川誠仁

しかも、歌詞がかなりエロい(笑)
島の方は、性についてかなりオープンなんでしょうか、イヤらしさはまったくないものの、結婚の祝いの宴で福之助が歌う歌なんか、むちゃくちゃきわどい、というより標準語でハッキリ歌ったら完全にアウトでしょう…。

この登川誠仁氏、DVDの特典についていたプロフィールに爆笑。
三線の早弾きの名手ということで、熱狂的なファンからは“沖縄のジミ・ヘンドリックス”と称えられているそうです。“沖縄のジミ・ヘンドリックス”って(笑)

さらに、8歳で覚えたタバコと9歳で覚えた酒で喉をつぶしたという豪傑でもあるようで、世の中凄い人もいるものですね~。

あと、今回は粟国島が舞台ですが、竹富島が舞台だった『ニライカナイからの手紙』、あの映画での不満がこの映画では満たされます。
あの映画も、ずっと島を舞台にすればいいのに、せっかくあんな素敵な島がありながら、途中から舞台が東京に変わっちゃうんですよね。

その点、この映画は最初から最後まで粟国島。
青い海と、ブーゲンビリヤの赤。奈々子のワンピースの赤も印象的でした。

ナビィの恋 西田尚美

さて、おかぽん様に投稿していただいたもう一つのカテゴリー“泣けます。。。”、これは旦那さんの決断でしょう。
いつかこの日が来ることは、心のどこかではわかっていたことでしょう。

心から愛しているからこそ、“愛してるランド”に旅立つ最愛の人を送り出す。
大袈裟な別れの言葉なんかいらない、いつものように、仕事へ出掛けるために家を出る。
帰って来た時、最愛の人はもうそこにはいないと知りながら。

決して振り返ることはないその背中は、こうつぶやいたでしょうか、“50年間、ありがとう”。

「映像美に酔いしれる!」を含めれば、4カテゴリーに堂々含まれる、60年の時を超えた素敵な恋の物語。

まだ一度も行ったことがない沖縄ですが、ますます行きたくなってきましたね~。

おかぽん様、素敵な映画を本当にありがとうございました。

1999/日本/92分
[監督]中江裕司
[出演]西田尚美/村上淳/平良とみ/登川誠仁/平良進

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