『少佐と少女』(ビリー・ワイルダー)

少佐と少女

12歳に扮したジンジャー・ロジャース!

まだまだ続くビリー・ワイルダー第9弾、初監督作『少佐と少女』です。

オクラホマの片田舎からニューヨークに出てきた一人の女性。
いくつも職を転々とした挙げ句、失意のうちに田舎に帰ることに。
しかし、帰りの電車賃だけは残しておいたのに、なんと電車賃が値上がりしていたからさあ大変!

いやあ、ビリー・ワイルダー相変わらず最高ですね。
ユーモアの利いた、ハッピーエンドの笑える恋愛映画を撮らせたら天下一品。

これ以前にすでに『青髭八人目の妻』『ニノチカ』などの脚本家として成功しているわけですが、初監督作品から絶好調。

田舎へ帰る電車賃がないため、子供料金で乗ることを思いついたスーザン(ジンジャー・ロジャース)。
見知らぬ男性をはした金で買収し、とっさに親子のふりをして、無事切符をゲット。
しかし、どう見ても12歳には見えないので、列車の中で車掌に怪しまれます。

苦しい嘘を連発して何とか誤魔化すものの、ついにばれて追いかけっこに。

思わず駆け込んだ個室には、米軍のカービン大佐(レイ・ミランド)が。

あいにく列車は立ち往生、心配して迎えに来たカービン大佐の婚約者パメラは、二人を観て激怒。
しかし、スーザンが12歳と知り、な~んだと一安心。

カービン大佐は兵学校で若い男の子たちを教えていて、その学校にスースー(カービン大佐は彼女のことをこう呼ぶので、劇中でも大半はスースー)が3日間滞在することに。

少佐と少女 ジンジャー・ロジャース レイ・ミランド

実際は20代も半ばのスースーですが、同年代の女の子の登場に俄然盛り上がる男の子たち。
300人の男の子たちからモテモテのスースー。
妙にませた男の子たちを、12歳に扮しているスースーが可愛らしくあしらう様子だけでも十分可笑しい。

婚約者の妹の12歳のルーシーだけがスースーの正体を見破っていますが、対パメラで利害が一致した二人は意気投合。

男の子たちと次々とデートするスースーに、あと15歳若かったら自分がデートしたいのにとカービン大佐。
もちろんカービン大佐のことが好きなスースーも、男の子たちとのデート中も心はカービン大佐に。

最後の夜、このまま嘘はつけないと、ありのままの姿でカービン大佐に会おうとするスースー。
しかし、パメラの妨害に会い、結局は12歳のままサヨナラを言うはめに。

もちろんここで終わるはずはなく、ニヤリとする至福のハッピーエンドが待っているのがワイルダー映画。
ただのハッピーエンドではなく、ニヤリとするユーモアが利いているところもビリー・ワイルダー。
観てのお楽しみとしておきますが、途中男の子たちがスースーを口説こうとしていた話が、伏線となってラストにピタリとはまるのは見事。

何度も声を出して笑えるシーンがありましたし、何よりも、観終わった後凄く幸せな気持ちになれる映画。

『アパートの鍵貸します』の18年も昔、ラブコメ路線では、すでにビリー・ワイルダー節は完成されています。

12歳に扮したおさげ髪のジンジャー・ロジャースも必見!

[原題]The Major and the Minor
1942/アメリカ/101分
[監督]ビリー・ワイルダー
[脚本]ビリー・ワイルダー/チャールズ・ブラケット
[出演]ジンジャー・ロジャース/レイ・ミランド/ダイアナ・リン

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