『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』(サイモン・ウィンサー)

ハーレーダビッドソン&マルボロマン

「今度は、どこへ行く?」
「何の話だ?」
「いつも行くだろ、その時期だ」
「一緒に来るか」
「いや」
「聞くだけ、ムダだったな」

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を応援していますと書いたヴェネチア国際映画祭、日本での騒ぎをよそに、美味しいところをもっていったのはミッキー・ロークでした。

話は変わって、いつもお世話になっているcarolita様が、しばらくぶりにブログに復帰されました。
これも何かの縁でしょうか、以前、男ならこれを観ろ!(まだまだ募集中です!)にcarolita様に投稿していただいた映画の中に、ミッキー・ローク主演作がありました。

というわけで今回は、ミッキー・ローク金獅子賞受賞記念&carolita様ブログ復帰記念、ミッキー・ローク主演『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』です。

ハーレーに乗ってる俺ってかっこよくない?というミッキー・ロークの呟きが聞こえてきそうな、ある意味、“男なれこれを観ろ!”としては最強な映画(笑)

ハーレーダビッドソン&マルボロマン ミッキー・ローク

舞台は近未来(といってもたった5年後というところはご愛嬌)。

いい年して大人になりきれない男ふたり。
ハーレーダビッドソン(ミッキー・ローク)とマルボロマン(ドン・ジョンソン)。
名前からしてもうこれですから(笑)

昔なじみの店が、お金がなくて潰れてしまう。
じぁ、現金輸送車を襲おう!
この、何の捻りもない発想も素晴らしい!

無事襲撃に成功、でも、袋を開けてみたら新種のドラッグだった…。
ドラッグ奪還のため、組織は殺し屋を送り込んでくる。

世にごまんとあるこの設定。
でも、ミッキー・ロークに、相棒がドン・ジョンソンで、悪の親玉にトム・サイズモア、殺し屋の一人にダニエル・ボールドウィン、さらにヴァネッサ・ウィリアムズの歌までついてくるんだから、ある意味豪華な顔ぶれ!

仲間はあっという間に殺し屋に殺されてしまうので、二人の逃避行。
でも、一生逃げて暮らすのは嫌と、壊した発信機を再び直し、自ら組織に挑みます。

ミッキー・ロークは、ハーレーはかっこよく乗りこなしてますが、銃の腕はまるでだめ。その設定が、後で効いてきます。

一方、テンガロンハットのカウボーイ、マルボロマン、こちらの銃の腕前は超一流。流石はソニー・クロケット。

ハーレーダビッドソン&マルボロマン ドン・ジョンソン

お互いが、相手に説教しながら、結局は自分がそれをしてしまうあたりは巧いですね。
例えば、マルボロがハーレーに「銃は撃つものだ、投げるな」と言っておきながら、“丸腰の奴は撃つな”という親父の教えを守るため、敵に銃を投げつけて殴りあいをしちゃったり。

このマルボロの親父の教えというのは、序盤から度々出てきます。
“親父が、この世を去る前にいつも言ってた”で毎回始まりますが、名台詞のオンパレード。

“バスと女は追うな。必ず、置いてきぼりを食う”なんかいいなぁ。

一方、「ダサく生きるよりクールに死のうぜ」が決め台詞のハーレー、マルボロがここぞという時に逆にハーレーに言うシーンもいい。

マルボロが、テープで補強しながら履いている、ボロボロのブーツのエピソードもぐっときます。伏線としてもちゃんと役に立ってますし。

殺し屋たちの格好が西部劇の敵役で観たことあるのだったり、『明日に向って撃て!』の“ジャンプ”が出てきたり、西部劇を現代アクションでやろうということでしょう。

ハーレーダビッドソン&マルボロマン

男同士の友情でぐっとくるシーンがいくつもありますし、何よりミッキー・ロークにハーレーというだけで、“男ならこれを観ろ!”としては外せない1本です。

 

ハーレーダビッドソン&マルボロマン [DVD]

[原題]Harley Davidson and the Marlboro Man
1991/アメリカ/99分
[監督]サイモン・ウィンサー
[出演]ミッキー・ローク/ドン・ジョンソン/チェルシー・フィールドヴァネッサ・ウィリアムズ/トム・サイズモア/ダニエル・ボールドウィン

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